業務中の怪我、健康保険を使えるケース
業務上と業務外のけがの取り扱い
労災保険は労働者の業務上のけがや病気の為の制度であり、経営者や役員は原則として労災保険の適用を受ける事はできません。但し特別加入と言う制度があり、経営者や役員も一般の労働者と同様に働いている場合に労災保険に加入できる途が開かれています。特別加入制度を利用するにはその事業所自体が労災保険の適用事業所でなければなりませんが、従業員がおらず親族だけで経営している様な事業所では特別加入もできない状態です。
国民健康保険においては、業務上・業務外の区別はなく治療を行う事ができますが、健康保険は原則として業務外のけが、病気等の治療となります。なお業務上のけがは、労災保険を使用して治療を行う事となっています。(業務中の怪我は労災保険の給付対象)
無保険状態回避の為の健保制度
労働者もおらず、労災保険の適用も無い事業所では業務上のけがをしても、どの保険も使えないと言う事になってしまいます。
そこで平成25年に改正があり、健康保険の給付制限を見直して健康保険及び労災保険のいずれの給付も受けられない場合には、健康保険の給付が受けられる事になっています。
原則役員の業務上の負傷について、業務上の災害については「使用者側の業務上負傷に対する補償は全額使用者の負担で行うべき」との考えから労使折半である健康保険から給付は行わないとしています。
しかし、5人未満の被保険者しかいない適用事業所に所属する法人の代表者等において、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については健康保険の給付の対象となっています。
被保険者数が5人未満であって代表取締役や役員が業務上でけがをした場合、健康保険から受けられる保険給付はすべてが対象になります。
※当記事は2018年4月掲載のものとなります。今後、法令・条例により内容が変更となる場合がございます。
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さいたま 蕨 戸田 川口 税理士