産業医の活用を考える
社員の健康を守るドクターはいますか?
2020年4月からは、いよいよ中小企業にも残業時間の上限規制が適用されますが、長時間労働対策が思うように進まない、そういう企業もまだまだあるのではないでしょうか。
この対策とあわせて実施しなければならないのが、「長時間労働者の医師との面談」です。この面談については、もともと労働安全衛生法で定められていましたが、2019年4月に対象範囲が広がりました。時間外労働・休日労働が月80時間超の労働者が申し出た場合に実施することが義務となり、これは小規模事業場(従業員50人未満の事業場)にも適用されています。
平成30年の労働安全衛生調査では、面談への取組みはこれからの企業がおよそ半数というのが実態ですが、これを機会に、改めて産業医の活用を考えてみませんか。
産業医の役割とは
産業医の役割としては、長時間労働者への面接指導のほか、健康診断の実施や作業環境の維持管理などがあります。また、「健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置」というのも労働安全衛生法で定められているのです。例えば、健康診断の後に生活習慣改善について社内セミナーを実施したり、季節にあわせてインフルエンザ対策や熱射病についての講話をお願いしてみてもよいかもしれません。もっと社員が気軽に相談できるように、小規模のランチョンセミナーの形式にするのもよいですね。こういった施策は、産業医の先生ご自身に、会社に対する理解を深めてもらう機会にもなります。
また、メンタルダウンで休職していた社員が復帰する際に、職場の社員が留意しなければならないことを講義してもらったりすることも、安心・安全な職場環境作りに貢献するでしょう。従業員が働きやすい環境づくりのためにも、心強いパートナーを探してみてください。
とは言っても、誰に頼んだらよいものか……と悩まれる場合には、地域産業保健センターへ相談してみましょう。
※当記事は2020年2月掲載のものとなります。今後、法令・条例により内容が変更となる場合がございます。
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