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死亡した月の給与の取扱い

死亡月の給与は支給期で判定

 あまり起きて欲しくないことですが、現役の会社員が亡くなった場合、給与の取扱いについては少し注意が必要です。
 死亡した方の給与は、生前働いていた期間で日割りして算出しますが、「支給期」の前に亡くなっている場合は、その月以降の給与に関しては相続税の課税対象となり、所得税は課税されないため、源泉徴収は行いません。また、死亡した人の年末調整は死亡時に行いますが、源泉徴収しないということは、源泉徴収票の支払金額に含めないということですから、その点にも注意が必要です。

「支給期」は「支払日」のこと

「支給期」という言葉は聞きなれないので「給与の締め日」と思われがちですが、「給与の締め日」のことではないので注意しましょう。「支給期」とは「給与所得の収入金額の収入すべき時期」のことで、「契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等についてはその支給日、その日が定められていないものについては実際にその支給を受けた日」と定められており、要は「支給日」のことです。
 また、資金繰りやその他の理由で、定められた支給期(=支給日)に給与が支払われず、遅滞した給与が支払われる前に死亡した場合は、その当月の支払い分は給与所得となりますので、給与所得の源泉徴収票に含めて記載する必要があります。

社会保険料の扱いは?

 社会保険料は所得税の扱いとは異なり、翌月末日が支払い期限で、「月末時点に在籍していればその月の社会保険料がかかる」という仕組みなので、当月締め・翌月払いの給与体系の場合は、死亡のタイミングにもよりますが、死亡後の給与からも天引きする場合もありますから、注意が必要です。
なお、雇用保険料は日割り計算です。社会保険料と混同しないように気をつけましょう。

 

※当記事は2020年4月掲載のものとなります。今後、法令・条例により内容が変更となる場合がございます。

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