副業の給料は乙欄課税
柔軟な働き方と副業・兼業の促進
昨年10~12月にかけて実施された厚生労働省の「柔軟な働き方に関する検討会」では、テレワークや副業・兼業といった柔軟な働き方について、その実態や課題の把握及びガイドラインの策定等に向けた検討が行われました。また、今年1月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が作成され、モデル就業規則も改定されました。副業を容認している企業はまだ少なく、一般的なものとはなっていませんが、今後は多様な働き方が認められていくことと思われます。
給与と源泉徴収
会社や個人が、人を雇って給与を支払った場合には、その支払の都度、支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引いて国に納めなければなりません。この所得税及び復興特別所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。
源泉徴収義務者は、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収税額表に基づいて計算します。源泉徴収税額表は甲欄、乙欄、丙欄の3つに分かれており、正社員などに支給する主たる給与の支払者からの給与の源泉所得税は、甲欄を適用して計算します。
副業の給与の源泉徴収
甲欄が適用できるのは扶養控除等申告書を提出した主たる給与のみですので、副業の給与は乙欄で課税しなければなりません。乙欄は扶養控除などが認められませんので、甲欄に比べ税率が高くなっています。
月給で支払う場合は月額表の乙欄を、日給で支払う場合は日額表乙欄を適用します。
副業の給与収入がある人の確定申告
副業の給与収入がある人は、その収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超えた場合、確定申告が必要です。一方、それらの合計額が20万円以下の場合、確定申告は不要です。しかし、確定申告をすることで税金が還付になるケースもありますので、有利な方を選択すると良いでしょう。
※当記事は2018年7月掲載のものとなります。今後、法令・条例により内容が変更となる場合がございます。
未来経営の羅針盤(コンパス)として、お客様と地域社会の発展に貢献します。税務のことなら税理法人コンパス
蕨 戸田 川口 さいたま 税理士